2009年6月15日 日記より
名古屋のTTCで授業を始めて24年目になる。
が、ついに今年でTTCがなくなる。思いは複雑、寂しい限り、思い出の数々が甦っ
てく る。
TTCは今年で47年目を迎える放送メディアで働く人材を養成する学校で、18歳か
ら30 歳までの人材を受け入れてきた。テレビ放送開始初期にテレビ人材の不足
を補うため 「電通」が音頭を取って創設された養成機関だ。民間放送局が賛助会
員となって運営を 支えてきた。夜の時間帯の授業体制で学生から社会人まで参
加、多くのアナウンサー やDJ、マスコミで働く人材を東海地域の各局に提供してき
た。講師陣も各局のディレクタ ー、プロデューサー、アナウンサーが引き受け、東
京から私と狂言の和泉元彌氏が参加 していた。青木さやかも元生徒である。
思い出は多いが、何だかよく飲みに行った思い出ばかり残っている(笑)。授業
後、車で 台風の中、郡上八幡まで徹夜踊りを見に行ったり、海まで行って朝帰りし
たり、ディスコ やカラオケに行ったり・・・遊んだ記憶ばかり?いや、元生徒たちは
東京まで私の舞台を 見に来てくれたり、いつまでも授業の「衝撃」を覚えていてく
れ、結婚後も年賀状をずうっ と送り続けてくれたりと暖かでジーンとくる思い出が
数多く残る。
大学を出て就職した後、もう一度自分なりの生き方を探したいと通い出だした元社
会人 生徒も多く、積極的に授業に参加する生徒には特に自立志向の強い女性陣
が目立っ た。私が話す海外での経験や様々な演劇の話も興味深く聞いてくれた。
「演劇」や「演 技」を人間の表現という視点から見て、そういう内容のレッスンをし
た。また人前に立つ 経験が演技の基本でもあるから、数名のチームで私の演技
授業の特徴でもある「創作 発表」を必ず行ってきた。はじめて演技体験、演劇経
験をする者が多く、とても刺激にな ったようだ。
20代中半くらいの「大人」になりかけた生徒と特に話が通い合った。この年齢にな
る頃 には、単に漠然としたマスコミ関連の仕事に「夢」だけで入ってくる19歳前後
の生徒と社 会経験の分だけ意識や考え方が違い、しっかりしている子が多くな
る。こういう経験も現 在のテラ・アーツ・ファクトリーの舞台作りに強く反映している
ように思える。
ものが少し見えてくるのが25歳前後、それから徐々に成長していく、人間の内面
形成の プロセスの途上での出会いの場、それが私にとってのTTC、サヨナ
ラ・・・。
41期(2003年、授業後、居酒屋にて)
41期(2003年、授業)
41期(2003年)
42期(2004年、授業内創作発表)
42期(2004年、授業内創作発表)
42期(2004年、授業内創作発表)
45期(2007年)
45期(2007年)
46期(2008年)
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